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シールドルーム(2) [脳のはなし]

2.適切なシールドルームとは

 

 ロックフェラー大学にはCopper roomというシールドルームがあるのです.部屋の内壁が銅版で作られています.浅沼博先生(世界の浅沼とも呼ばれておられました)という慶応大学医学部出身でロックフェラー大学生理学教室の教授になられた先生がおられます.私の先輩にあたる先生は浅沼先生のもとに留学されており,その部屋を使われておりました.非常に素晴らしい部屋という印象を持ちました.磨けばピカピカになると思いました.それだけでも,ロックフェラー大学が電気生理学研究に対して当時は極めて大きな期待を込めて投資したのだと思います(流石ロックフェラー財閥).確かに浅沼先生の御業績は皆様が教科書で見るとおりです(生理学の教科書を買っていない医学部学生さんが最近は多いと聞きますが,その方は,図書館に行って古い教科書を見てください).でも,そのCopper roomに,僕は,疑問を抱きました.その部屋には,他の部屋からの電磁波は辿り着かないのかも知れません.でも,その部屋の中には数多くの電気機器(電子機器?)があるので,その機械からの電磁波やノイズが一杯です.結局,その部屋の遮蔽は完璧ですから,それらのノイズはその部屋に完璧に閉じ込められることになるのです.その部屋で記録を取るのですから,皆さん苦労していたようです.その部屋が作られたのは,1970年代だと思う(証拠はありません,勝手に想像しているだけです)ので,使う機械も極めて少なく,その部屋で生じるノイズは本当に小さかったのでしょう.それに比べて,その部屋の外では,工事の雑音やわけの分からない電磁波が蔓延していたのだと思います.故に,部屋の外の電磁波を遮蔽することが大切だったのだと思います.今は,自分たちが使用している多数の機器から発生する電磁波を閉じ込めることになってしまったシールドルーム.時代とともに適切なシールドルームの在り方を考えさせられます. それより何より,今,ロックフェラー大学にあのシールドルームは残っているのでしょうか?野口英世の銅像は図書館にあると思いますが,時代の流れとともに分子生物学や遺伝子科学の台頭の影響で消えてしまっているかも知れません.もし無くなっていたら,寂しいな・・とも思います. 
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