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「ドーパミンニューロン」のはなし(4) [脳のはなし]

4.ドーパミンと情動

 情動(Emotion)は,平たく言うと「心」の「動き」である.
 情動は「悲しみ」「喜び」「驚き」「恐怖」「嫌悪」「怒り」の6種類に分類されるようです.情動表現の多くは「顔の表情」でされますが,「歩く姿」や「後姿」など「姿勢」も情動の表現に関与しています.というより,ヒトは,他人や動物の心の動きを「表情」や「姿勢」から推定する能力に長けている様です.これは進化論で有名なダーウィンが言っているので,世界中の多くの人々が,その様に認識していると思います.
 ところで,上の6つの情動のうち,ポジティブな情動と言えば「喜び」です.「恐怖」「怒り」「悲しみ」「嫌悪」は,ネガティブな印象を受けます.「驚き」には双方があります.その様に考えると,ヒトの情動は,ほとんど,ネガティブということになります.(僕は,学生の頃,友人から「暗い奴だ」と言われましたが,この様に考えると,これはヒトである故,仕方ないことになります).しかし,その中にあって,「喜び」の情動を与えることに関与しているのがドーパミンなのです.「喜び」は,我々が生きて行く上で極めて極めて重要です.ですからドーパミンニューロンを守ることは大切なのです.もしもドーパミンが無くなったら,ネガティブの情動の中でヒトは生きていなければならないのかも知れません.これはいたたまれない程,切ないですよね.
 パーキンソン病ではドーパミンニューロンが変性してしまいます.運動が出来なくなり,手足が震え,骨格筋が固縮します.姿勢は屈曲姿勢が特徴で,腰は曲がってしまいます.これらの運動障害でパーキンソン病は特徴づけられていますが,私は,むしろ,ドーパミンが欠乏することによって患者さんには喜びの情動が生じないことがこの疾患の一番の辛さなのではないかと感じています.あたかも重たいものを持ったような屈曲姿勢も,「喜び」を生じない「重たい心」を背負ってしまった姿勢の様に見えて仕方ない(やるせない)時があります.    
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